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蔭日向。

気ままに落書きや小説を書いたり萌え語りしています。詳細は『復活しました!』という最古記事に。リンクからオリジナル小説、ポケ擬人化のまとめ記事に飛べます。

カテゴリー「novel」の記事一覧

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Hate not the person but the vice.


「銀色は神様から好かれてるんでしょ?」

「さぁな。」

「とぼけちゃって。」

「別にとぼけたつもりはない。」

「ねぇ、どうして私と一緒にいるの?」



白いトラとはよく一緒にいる。

何にもすることないけど傍にいて、
何にも話すことないけど傍にいて、
何だか嬉しいときいつの間にか傍にいて、
何だか泣きたいとき気付いたら傍にいて。



白いトラは伝説の獣。
神聖で貴重な神様の獣。
朝日を浴びてキラキラ光る。

それが余りにも綺麗だから、銀色。



黒いオオカミとは正反対。


「オオカミは恐いんだよ。」

「オオカミは神様の敵なんだよ。」

「オオカミは赤頭巾や子山羊を食べちゃうんだよ。」



綺麗なトラとは正反対。



「それはお前じゃなくて、狼のことだろう。」

「そして俺じゃなくて、白虎のことだろう。」



白いトラは優しく微笑んだ。




オオカミ少女と白いトラ



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「銀色って変わってるね。」

「そうか?」



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novel


オリジナル小説まとめ置き場です。タイトルクリックで各個小説の表紙?に飛べます。





長編

 
rabit.jpg
 
 ラビット・アドベンチャー
 現在3話目まで進行中





space.jpg
 Space Fighters !
 現在4話目まで





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 空青
 現在2話目まで





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 10DAY's Limit
 現在8話目まで
 
 
 
 
 
 
 
 
 bless.jpg
 
 God+bless
 現在5話目まで


 





32595043.jpeg

 Heart's Blood
 共同制作 現在16話まで







オオカミ少女シリーズ
     

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空青 1

空には雲一つ見当たらない。

いつも高過ぎて広過ぎると感じる空だが、この場所からは更に高く広く感じた。

小高い丘から眺める世界は9割が青い世界。
青は心を癒す色だと知ってはいるが、今見える世界は青過ぎた。

高過ぎて広過ぎて青過ぎて、俺には遠過ぎる。

――こんな世界見たくない。

俺はゆっくり目を閉じた。

――ほら、もう何も見えない。

このままゆっくりと夢の世界へ行こうとした。


「ねぇ。」

行けなかった。
誰かが俺を呼んだからだ。

「ねぇ。」

それでも俺が目を開けずにいると、身体が揺さ振られた。
仕方がないのでゆっくり目を開けた。
青い世界に1人の人間が見えた。
視界はまだはっきりしていないので、顔がよく分からない。

「ねぇ、こまってるよ?」

2、3回瞬きをしてようやくはっきりと見えてきた人間は――

「こまってるよ?」

綺麗な藍色の瞳、綺麗な銀色の長い髪。
とても幼い顔立ちをした少女だった。













「………は?」

ようやく反応した青年の肩から手を離し、少女は先程と同じ言葉を繰り返した。

「こまってるよ?」

「何が?」

青年は訳が分からない、と眉を寄せた。

「どいて。」

「はい?」

「どいて、って。」

「何なんだ…。」

青年はゆっくりと上半身を起こした。
その瞬間、

「!!」

青年に向かい矢のようなものが飛んできた。

「っ…!」

咄嗟に腕を上げて防御しようとしたが、

「え?」

青年の動きは途中で止まり、腕を胸の前で構えた姿勢で停止した。


次の瞬間、青年の顔の数センチ横を1羽の鳥が猛烈な速さで横切った。

青年は振り返り、視線を落とした。

さっきまで寝転がっていた黄緑の芝生。
そこに地面を突いている一羽の鳥がいた。
鮮やかな黄色を持ち、羽と尻尾の先だけが燃えているような炎の色をしている。

嘴の先には、背中で押しつぶしていた草の隙間に小さな穴が空いていた。
小さな穴の中には、小さな小さな緑色の卵が入っていた。

「………。」

青年は草で出来た黄緑色の巣から、黄色の鳥に視線を戻した。
黄色の鳥は一度甲高い声で鳴くと、青年の頭の上を通り過ぎ、少女の肩に着地した。

「ぶじでよかったね!」

少女は肩の黄色の鳥にとびきりの笑顔を向けた。

その声に応えるかのように、黄色の鳥はもう一度甲高い声で鳴いた。

「この子、こまってた。こども、つぶされた、って。けど、もう、だいじょうぶ!」

少女は青年に向けてゆっくりと話した。
屈託のない笑顔を向けられて、睡眠を邪魔された青年は眉を寄せて微妙な顔をした。

「そうか。」

青年はそれだけ言うと、ゆっくり立ち上がった。

少女は青年よりほぼ頭一つ分身長が低かった。

「じゃあな。」

青年は一応別れの挨拶をして、少女の脇を通り過ぎ、その場から立ち去ろうとした。

「またね!」

後ろから少女の嬉しそうな声がした。


空青 0


雨が降っていた。



どこまでも続く空は厚い雲がかぶさり、本来の空の青を隠していた。
空の下には豊かな緑で包まれた大地があった。
緑の地は雨に濡れ、水の重みで葉は沈み、花は曲がり、木も涙する。

今、木が零した一雫の涙が1人の少女の頭に落ちた。
少女は木の根元で体操座りをして、空を眺めていた。
体中を濡らした少女は高い木々の隙間から見える、面積の小さな空を見ながら言った。


「フォル、泣いてるの?」

返事はなかった。

「どうしたの?いたいの?」

やっぱり返事はない。


少女は暫く黙った後、立ち上がって濡れた木を登り始めた。
途中何度か滑ったものの、木の天辺近くまで登って少し太めの枝に座った。
少し高めの木だったので、ここからなら空がよく見えた。

少女はお尻が泥まみれの短いズボンのポケットからハンカチを取り出した。
全体的に黒っぽいが濃さが不均一になっている、黒斑模様のハンカチだった。


少女はハンカチを握りしめ、

「えいっ!」

空に向かって投げた。

「つかって!」

ハンカチはすぐに重力で降下して、べしょっと地面に落ちた。


少女は暫く空を見つめた後、ゆっくりと言った。

「だいじょうぶ、サナがまもるから。」


すると雨は次第に止み、空を押し退けて青が顔を出し始めた。

少女は青い空を見て嬉しそうに笑った。



広大な青い空には大きな虹が架かっていた。


 



Sometimes people say they hate what they really love.


「君なんか、だいっきらい。」

「……どうして?」

「嫌いなの。」

「何で嫌うの?僕…分からないよ。」

「君はいつもそうだよね。」

「うう…。」


君は
可愛く小さい耳を下げて、

綺麗な瞳を涙でさらに光らせて、

華奢で小さな身体をもっと小さくさせる。



「僕たち…友達だよね?」


そんなふうに私の目を見つめないで。



「大嫌い。」



食べちゃいたいくらい大好きなんだから。










オオカミ少女とヒツジ少年



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君はまた、とびっきりの笑顔を私に向けるんだ。


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日蔭
性別:
女性
自己紹介:
毎日のんびりマイペースに過ごす学生です。
ポケモン、APH、キノの旅、牧場物語、ゼルダの伝説など大好物増殖中。
基本的にキャラ単体萌え。かっこかわいい方に非常に弱い。女の子ならボーイッシュな子がクリティカルヒット。カプに関してはノマカプ萌えですがたまに腐るかもしれない。
現在6つのオリジナル小説を亀更新中。書きたいのいっぱいありすぎてどれも手が回ってない。
絶賛ポケ擬人化再熱中!!デザインが来い。

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