10DAY's Limit 1

―――ん？



ここは、何処だ…？



真っ暗だ。



暗闇以外、何も見えない。



どうしてこんな所にいるんだ？



どうして、俺は―――































俺は………誰だ？





























「よぉ。」



「………え？」



いつの間にか目の前に誰かが立っていた。

全然気が付かなかった…。

何か悔しい。



「なんだその目は。俺の格好がそんなに珍しいか？」



そう言われて、目の前の奴をじっくり見てみた。



金色に輝く細い目、やたらと白い肌、筋の通った鼻、歪んだ唇。

黒くて長い髪。髪の隙間から、やたらとんがった耳が見えた。丸くて赤い大きなピアスも見えた。

首から足の先まで覆われた黒い服を着ていた。コート…いや、マント？取り敢えず見たこともない不思議な服だ。



「誰？」



取り敢えず聞いてみた。

こんな怪しい奴初めて見る。



「死神。」



「…はい？」



「し、に、が、み！」



いや、聞こえなかった訳じゃないんだけど…。

死神？死神って…漫画とかアニメとかで見たけど…。

実在するのか。初めて知った。



…いや、そうじゃなくて！



「な、何で死神なんかが俺の目の前にいるんだよ！」



死神って…まさか。

汗が流れた。寒気がする。



「はぁ？死んだからに決まってんだろーが。」



…嘘だ。



「…だ、誰…が？」



声が震える。

嘘だと言ってくれ。頼むから。



「何言ってやがる。お前しかいないだろ。」



…本当に頼むから。夢なら早く覚めてくれ。



「………は、…」



声が出せない。

何を言おうとしたのかも分からない。



「死んだんだよ！お前。」



俺は何も考えられなくなった。