蔭日向。
気ままに落書きや小説を書いたり萌え語りしています。詳細は『復活しました!』という最古記事に。リンクからオリジナル小説、ポケ擬人化のまとめ記事に飛べます。
God+bless 3
- 2012/10/07 (Sun)
- novel |
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2人でゆっくりと歩いているので、家に帰るのに普段の倍はかかっていた。
アレスは自分が女性をおぶった方が早く家につくだろうと思いながらも、
見ず知らずの女性に気安くおんぶなどをさせるのは気が引けて言いだせなかった。
仕方がないので、女性の痛めた足を気付かって、なるべくゆっくりと歩いた。
「………。」
女性は何も話さない。
顔を伏せてしまい表情も伺えない。
自分から何か話し掛けた方がいいか、
しかし何を話したらいいのか、
等と考えているうちに家が見えてきて、
「もうすぐです。」
結局これだけしか言えないまま、アレスの家に着いた。
「狭いところですみません。」
アレスは女性を椅子に座らせて、女性の前に屈んだ。
ちょっと失礼します、と言いながら女性の服の裾を少しだけ持ち上げる。
左の踝が赤く腫れているのが見えた。
「俺とぶつかったときに捻挫させてしまったみたいですね。」
女性の服の裾を直してアレスは立ち上がり、
ちょっと待ってて下さいと言い残し、家の外へ出ていった。
「………。」
女性は少しだけ被っていた布を退けて、アレスの部屋を見渡した。
砂と泥やコンクリートを混ぜて固めてできているだろう一般的な家だった。
扉や家具は木からできている庶民的なものばかり。
机には灯りとなる蝋燭が置いてあるだけ。
椅子は自分が座っている一脚しか見当たらない。
部屋の隅に置かれたベッドは、焦げ茶色の古い木に所々付いた傷が年代を感じさせた。
女性の後ろの壁に二本のナイフが飾られていた。
ベッドからでも椅子からでも直ぐに手が届きそうな場所だった。
「お待たせしました。」
女性が振り替えると、家に戻ってきたアレスの手には、濡らした布があった。
アレスは再び女性の前に屈み、ベッドの下から箱を取り出した。
濡らした布で患部を包み、箱の中にあった包帯で布ごと足を巻いた。
「とりあえずはこれで大丈夫です。後はゆっくり休んで下さい。」
アレスは優しい笑顔を見せた。
「ありがとう。」
初めて女性の口から言葉を聞けた。
強く、凜とした声だった。
アレスは少しだけ驚いたが、直ぐに笑顔に戻った。
「いえ。俺が怪我をさせてしまったのだから、このくらい当然です。」
それから罰の悪そうな表情をした。
「もう遅いので…今日は俺の家に泊まって下さい。嫌なら別に構いません。貴女の家まで送ります。」
「………。」
再び黙った女性に、アレスは何かまずいことを言ってしまったかと不安になったが、
「………ここにいて、良いのか…?」
小さな小さな声が聞こえた。
アレスは優しい笑顔で答えた。
「はい。勿論。」
アレスは自分が女性をおぶった方が早く家につくだろうと思いながらも、
見ず知らずの女性に気安くおんぶなどをさせるのは気が引けて言いだせなかった。
仕方がないので、女性の痛めた足を気付かって、なるべくゆっくりと歩いた。
「………。」
女性は何も話さない。
顔を伏せてしまい表情も伺えない。
自分から何か話し掛けた方がいいか、
しかし何を話したらいいのか、
等と考えているうちに家が見えてきて、
「もうすぐです。」
結局これだけしか言えないまま、アレスの家に着いた。
「狭いところですみません。」
アレスは女性を椅子に座らせて、女性の前に屈んだ。
ちょっと失礼します、と言いながら女性の服の裾を少しだけ持ち上げる。
左の踝が赤く腫れているのが見えた。
「俺とぶつかったときに捻挫させてしまったみたいですね。」
女性の服の裾を直してアレスは立ち上がり、
ちょっと待ってて下さいと言い残し、家の外へ出ていった。
「………。」
女性は少しだけ被っていた布を退けて、アレスの部屋を見渡した。
砂と泥やコンクリートを混ぜて固めてできているだろう一般的な家だった。
扉や家具は木からできている庶民的なものばかり。
机には灯りとなる蝋燭が置いてあるだけ。
椅子は自分が座っている一脚しか見当たらない。
部屋の隅に置かれたベッドは、焦げ茶色の古い木に所々付いた傷が年代を感じさせた。
女性の後ろの壁に二本のナイフが飾られていた。
ベッドからでも椅子からでも直ぐに手が届きそうな場所だった。
「お待たせしました。」
女性が振り替えると、家に戻ってきたアレスの手には、濡らした布があった。
アレスは再び女性の前に屈み、ベッドの下から箱を取り出した。
濡らした布で患部を包み、箱の中にあった包帯で布ごと足を巻いた。
「とりあえずはこれで大丈夫です。後はゆっくり休んで下さい。」
アレスは優しい笑顔を見せた。
「ありがとう。」
初めて女性の口から言葉を聞けた。
強く、凜とした声だった。
アレスは少しだけ驚いたが、直ぐに笑顔に戻った。
「いえ。俺が怪我をさせてしまったのだから、このくらい当然です。」
それから罰の悪そうな表情をした。
「もう遅いので…今日は俺の家に泊まって下さい。嫌なら別に構いません。貴女の家まで送ります。」
「………。」
再び黙った女性に、アレスは何かまずいことを言ってしまったかと不安になったが、
「………ここにいて、良いのか…?」
小さな小さな声が聞こえた。
アレスは優しい笑顔で答えた。
「はい。勿論。」
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HN:
日蔭
性別:
女性
自己紹介:
毎日のんびりマイペースに過ごす学生です。
ポケモン、APH、キノの旅、牧場物語、ゼルダの伝説など大好物増殖中。
基本的にキャラ単体萌え。かっこかわいい方に非常に弱い。女の子ならボーイッシュな子がクリティカルヒット。カプに関してはノマカプ萌えですがたまに腐るかもしれない。
現在6つのオリジナル小説を亀更新中。書きたいのいっぱいありすぎてどれも手が回ってない。
絶賛ポケ擬人化再熱中!!デザインが来い。
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基本的にキャラ単体萌え。かっこかわいい方に非常に弱い。女の子ならボーイッシュな子がクリティカルヒット。カプに関してはノマカプ萌えですがたまに腐るかもしれない。
現在6つのオリジナル小説を亀更新中。書きたいのいっぱいありすぎてどれも手が回ってない。
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